ヘナディクショナリー6.
「天然ヘナ100%」表記の落とし穴
どんなに高品質であっても、ヘナだけでは白髪をダークに染めることはできません。ヘナに含まれるローソンはオレンジの色素だからです。しかし、ディクショナリー3.で紹介したようにインディゴをブレンドすることで、天然成分100%状態でライトブラウンからダークブラウンに染めることができます。さらにハーブパウダーを調合すれば、微妙な色のニュアンスを出すことも可能です。昔と比べ 、ヘナで叶う髪色は大きく変わりました。
↑白髪をかなり暗く染めたい方に向けた、コロリエで販売中のヘナカラー「リコヘナ ブラウニー」。成分表示にヘナとインディゴと7種類のハーブが明記されている。染めたては深いネイビー、3日かけて酸化しながらダークブラウンに仕上がる。
一方で、ヘナに化学染料を混ぜて、ダークに染める商品もあります。「ケミカルヘナ」と呼ばれ、これもひとつのジャンルですが、いかにも天然であるかのようにうたって販売する商品もあります。パッケージに「天然ヘナ100%」と大きくうたいながら、成分表示には「HC入り」と小さく表記しているものなど、誤解を生みやすいものも見受けられます。
「HC」とはhair colorの略。確かにヘナそのものは天然100%なのですが、成分表をチェックすると「HC青2」、「HC黄2」などと書かれています。これらはヘアマニキュアやヘアカラートリートメントに使われる、酸性染料。キューティクルを開かず、脱色剤も使わずに髪を染めることができる成分です。シャンプーするたびに褪色するので、一般的なヘアカラーに使われる酸化染料とは異なりますが、ナチュラルヘナとは別物です。それを理解した上で選ぶべきケミカルヘナです。
酸化染料入りでもヘナカラーとして販売
さらに「ケミカルヘナ」の中でも広く出回っているのが、「白髪が黒く染まるヘナ」として販売されている「ブラックヘナ」です。ブラックヘナにはパラフェニレンジアミン、5-ジアミン、フェニレンジアミンなどのジアミン系の酸化染料が入っています。そしてこれらが原因となっておこるのが「ジアミンアレルギー」です。なかでもアレルギー発症率が高いのが、パラフェニレンジアミン。ジアミンは少ない色素で濃い色を作ることができるために白髪の染まりが良く、便利な成分ですが地肌には有害です。地肌を完全に避けた白髪染めは不可能と言えます 。
肌が弱くてヘナにした人が、セルフヘナでジアミン入りの「ブラックヘナ」を使って、かぶれてしまったというケースは少なからずあります。ジアミンをはじめとする酸化染料は全体の1、2%でも、植物成分100%と植物成分99%+化学成分1%では全く異なります。1%、2%は普通の白髪染めと変わらない割合です。
ジアミン入りヘナでアレルギーを起こす人
白髪染めをしている際に感じる頭皮のヒリヒリ感や痒みは、たいがいがジアミンによるもの。我慢できたとしても、アレルギー反応です。体がだるくなる、洗い流した後でもヒリヒリする、頭皮や耳がかぶれるなど、重症化する可能性もあります。ジアミンアレルギーは、1度反応が出ると治ることはないとされています。
また、アレルギーが起こらなくても頭皮に良くないことは確かです。ジアミン入りヘナは残念ながらトリートメント効果も期待できません。どちらかというとギシギシになる可能性があります。理由はディクショナリー5.でお見せした、砂入りのヘナをベースにしていることが多く、鉄やマグネシウムなどが一緒に含まれてしまっているからです。「ジアミン入りヘナからナチュラルヘナに変えた方は、みなさん手触りの違いに驚かれます」と中島さん。
ジアミン入りヘナは雑貨。美容室では使えません
日本ではヘナは化粧品として販売されています。一方、ジアミン入りヘナは雑貨になります。そのため美容室では、扱うことができません。美容室で扱えるのは、化粧品か医薬部外品に限られているからです。だからこそホームケアでヘナカラーを行う場合はより慎重になりたいものです。特に白髪が黒く染まるヘナとして販売されている「ブラックヘナ」にはジアミン系の酸化染料が入っています。成分表示に「5-ジアミン」「フェニレンジアミン」「パラフェニレンジアミン」 とあったら、それらはジアミン系の酸化染料です。ただしケミカルヘナでも、ヘアマニキュアなどに使用される化粧品染料を配合したヘナ(化粧品登録商品)もあります。
【ケミカルヘナについて知っておきたいこと】
・一応主成分はヘナですが、正確にはヘナでない
・ヘナ100%のオレンジではなく、インディゴと染料によってダークブラウンからスタートできる
・ジアミンが入っていると、カラーリング時間が短くて済む
・ジアミンアレルギーを起こす可能性がある
・色味のバリエーションがある
・頭皮に刺激がある
・HC成分は着色に時間がかかる
・HC成分は色持ちが短い
・ダメージの直接原因にはなりませんが、きしみが出て髪の感触が悪くなることがある