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Profile
株式会社ネオナチュラル
代表取締役
高柳 昌弘(たかやなぎ まさひろ)さん
1961年、名古屋市生まれ。大学卒業後、大手建設会社、建設コンサルタント会社を経て、(株) 高柳設計(現ネオナチュラル)の代表取締役に就任。大規模開発の建設コンサル事業に従事していましたが、アトピーの娘さんのために作った石けんが評判となり、2000年にオーガニックスキンケア事業をスタート。2010年、岐阜県郡上市にスキンケアの原料を栽培する母袋有機農場を開場。2024年には農場の善玉菌を利用したリトリート施設をオープン予定です。
↑標高600m。のどかな里山の風景が広がる「ネオナチュラル母袋有機農場」(岐阜県郡上市)
仕事柄、敏感肌の悩みから抜け出せずにいる方にたくさんお会いしてきました。そんな時、私の脳裏に真っ先によぎるブランド、それが今回ご紹介の「ネオナチュラル」です。美容の催事でも絶対に外せない存在で、肌が敏感で悩みが深刻な方ばかりをブースにお連れするので、ちょっと悪いなと思うことも…。でも、これまでたくさんの人を救っていただきました。私の信頼は増すばかりです。まずは、信頼のベースとなっている素材のお話からしていきたいと思います。
新幹線で東京→名古屋→車で1時間半。「ネオナチュラル母袋有機農場」へ。
高柳
遠路はるばるようこそ。吉川さんにはうちの農場を一度見ていただきたかったので、このような機会をいただけて光栄です。秋も深まり、すっかり枯れた姿ではありますが。
吉川
私のほうこそ念願が叶いました。それにしても空気もいいし、川も湧水もあって。自然環境に恵まれた素晴らしい場所ですね。ここがネオナチュラルさんの原点。あっ、この子たちが山羊のうし君としろちゃんですね。
高柳
はい。雑草を食べてくれるスタッフです。除草剤を使わない「有機農場」にとって雑草取りは大切な仕事です。雑草でないものも食べちゃうんですけれど (笑)
↑HPのスタッフ欄にも「母袋有機農場の管理人(主に農場の雑草を食べる)」と紹介されているうし君(左)としろちゃん(右)。
肌への優しさ。化粧品原料へのこだわり。25年前のプライベートな体験が原点。
吉川
当然ですけれど、雑草もオーガニックですね
高柳
そうですね(笑)。私たちがオーガニックにこだわるのは、化粧品の原料に使う植物も自然環境や育て方によって、肌へのはたらきに違いが出ると考えているからです。
高柳
はい。大規模開発の建設コンサルをやっていました。むしろ真逆の世界でした。生まれた娘がアトピーで、なんとかしてやりたいという父心から、肌や成分のことを勉強して馬油石けんを作ったのが今の道へのきっかけです。口コミで肌の弱い方や赤ちゃんのいるお母さんたちに広がっていきました。25年前の話ですけれど、人にも環境にも優しい自然素材で肌本来のはたらきを引き出したいという思いは同じ。むしろ強くなっていきました。
↑有機農場では牛糞や鶏糞に、米ぬか、籾殻、そして稲わらなどを加えて発酵をさせた「ぼかし堆肥」を使用しています。これらすべて、自分たちの手で行っています。
全成分表示のルールがあっても、 成分のクオリティまではわからない現実。
吉川
読者のみなさんはご存知と思いますが、日本で化粧品を製造・流通させるには、パッケージなどに全成分を配合量の多い順に記載するルールがあります(1%以下の成分は順不同)。消費者はそれを見れば何が入っているか一目瞭然ですが、原料のクオリティまではわからない。キャリーオーバーと言って、エキスなどに微量に含まれている防腐剤などは表記しなくていいことになっています。ですので、全成分表示、化学物質不使用と見えて、中身には化学物質が複数含まれていることもよくあります。その点でも、「品質の良いシンプルなものづくりをしたいから、原料は自分たちで作る」という在り方。こっそり黙って化学物質を入れているようなキャリーオーバーもなし。私が安心して敏感肌に悩む方を御社のブースにお連れできるのも、どこの何かがはっきりしているところが大きいです。今、何種類くらい自社で栽培しているのですか?
高柳
この土地の気候にあったものとして、50種類ほど。原料の質優先なので、土地に合わない物を無理に育てたりしません。一部直輸入している原料もあります。ただ基本は日本で薬や化粧品の原料として伝統的に使われてきた植物。新たに成分を開発して新商品として発売することはありません。新しいものは安全性が確保されていないかもしれないと考えるからです。歴史に裏付けられた成分で、肌が敏感な方も安心して使い続けられるものを開発していきたい。
吉川
代表選手がヘチマ水。
高柳
ヘチマ水は、美人水として江戸時代からずっと肌に良いと重宝され使われてきたものです。大奥でも(笑)。
吉川
300年の歴史。成分が豊富なヘチマ水の美容効果は科学的にも実証されていますよね。含有成分は、サニポン、ペクチン、アミノ酸、ビタミンCなどなど。
↑濾過をしたヘチマ水。本草学者だった小野蘭山が1806年に書いた薬用植物の研究書『本草網目啓蒙』にもヘチマ水の採取法や効能が記されています。 江戸時代の中期に女性の化粧が薄くなり、素肌美に対する意識が芽生え、化粧水に肌を整える役割を求めるようになったそうです。
高柳
そうなんですよ。だから当社のスキンケア製品は水に代わってヘチマ水を使っています。水は1滴も使っていません。ところで吉川さん、歩き回って喉渇いたでしょう。ヘチマ水で喉をうるおしてください。
吉川
付けるのではなく、飲むのですね(笑)。
↑採取したヘチマ水を1年寝かせて熟成させ、さらにまろやかに仕上げるのがネオナチュラル流。飲みやすくスーッと喉を通っていきました。実際、市場には 飲用として販売されているヘチマ水もあり、利尿作用や腸内環境の改善に期待できるそう。なんの科学物質も防腐剤も入っていないのに腐らないのですって。生きたまま!ですね。
↑一面に葉が生い茂り、黄色の花が咲き乱れたヘチマ畑。8月の光景。土壌が汚染されていないこと、雨が多く、空気がきれいなことが品質の良いヘチマ水の条件です。
↑9月中秋の名月の頃、実が枯れ始める前が採取の時。地面から50〜60cmのところで茎を切って、根元側を一升瓶に差し込むと一滴一滴ヘチマ水が注がれていきます。
水さえも加えない自然由来成分100%。ローション2トップ。
↑(左)ヒーリングローション120mL 3,597円(税込) (右) 美百水150mL 1,980円(税込)
吉川
さて、飲めるほど安全なヘチマ水をいただいたところで、そのヘチマ水を使ったローションを2点ご紹介して、前半を終わりたいと思います。ストレートにヘチマ水の作用を感じてみたいという方は「美百水」をぜひ。プレローション、コットンパック、拭き取りなど使い方はいろいろ。サポニンには界面活性作用があるので、肌馴染みもいいですよ。それにしてもヘチマってすごいです。水を使わなくても化粧水になっちゃうんですから。そして私のイチオシでもあり一番売れているのが「ヒーリングローション」。へチマ水だけでは保湿力が足りない人はこちらがおすすめです。ヘチマ水をベースに、ローズ水やゲットウ葉水など9つの自然由来成分からできています。しかもとにかく気持ちよく使えます。
高柳
どちらも肌自身が持っている力を手助けする化粧水です。
吉川
もちろん添加物は一切なし。
高柳
肌にも腸のように常在菌が存在し、その数は30種以上1兆個。外的刺激から肌を守る、弱酸性を保つなど、肌のコンディションを整えるために重要な役割を担っています。そのためにも防腐剤や化学物質を使わないスキンケアが大切だと考えていますので。
吉川
その通り!と私も思います。そして菌の話が出ましたが、ネオナチュラルさんには腸の常在菌を味方にした「美活甘酒 はだ恵り」や「善玉菌酵素洗濯洗剤」なんていう商品もあるんですよ。そちらは後半でご紹介しますね。(続く)
後半(vol.11-2)の記事はこちら
2022.11.22 (撮影・文/野村始子 写真提供/株式会社 ネオナチュラル)
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